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働くということ

2005年12月17日

 なみログ at 18:28 | ひとりごち
2005年12月17日(土)佐賀新聞朝刊8頁より

有田焼直売協同組合が、飲食店で使われる運び膳の大きさに合わせた、業務用食器を開発したという記事が載っている。

運び膳とは、仲居さんが食器を運ぶときに一度にいくつもの食器をのせて運ぶための膳で、今回開発されたのは、その膳の大きさにぴったりとはまるように、一つ一つの大きさが計算された食器だ。
器はさらに重ねやすいような形にもなっているという。

どういう風に使われるか、使っている人がいまどのような問題点を抱えているか、それを解決することを開発の主軸にすえた食器だ。
料亭や旅館の評判も好評だということだ。もちろん実際に食事の席で食べるお客様の満足を得られる食器だとうことはいうまでもない。

話は変わるが、世の中は空前の株ブームのようだ。先日株の誤発注の件で、今日の社会面にも数十億も利益を得たという記事がでていた。なんともうらやましい限り。

どうやらお金を稼ぐことと、働くこととはイクオールでない部分もありそうだ。というのが最近考えていること。お金を稼ぐことが働くことの目的ではなくて、働くことは働くこと自体に目的があるという考え方もあるな、と。(しかしそういう悠長なことを言っていられるほど私には余裕はない)

以前ある本を読んだときに感じたことをメモしていたので、書き記しておく。

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「食べるために働く」のではなく「働くために食べる」ということ

昔から私たちは、山に住むものであれ、海にすむものであれ、生活に必要な道具を作り、田畑を耕し、狩に出かけたり、魚を獲ったりと、「食べるため」に「働い」てきた。

宮本常一氏の文章のなかに、「働くこと」について次のように言及する個所があり、その考えは上の考えとはまったく逆の発想であり、たいへん興味深い考え方だと思った。手元に本がないので、文章をそっくり写すことができないが、それは、

私たち人間は道具を作ったりする「働き」を楽しみとするようなところがあって、「働き」たいために生きねばならず、そのために「食べ」てきた

といった文章である。

その文章を読んで、なるほどなあと感心したのだが、なぜ「働くのか?」と問われて、「食べるために」と答える人は多いだろう。しかし、「なぜ食べるのか?」と問われて「生きるため」と答える人は多いだろうが、「働くため」と答える人はまずいないだろう。

「働く」という行為が人間生活に欠かせないものであるという、言われてみればあたりまえのことを忘れて、「食べること」(欲望を追求すること)だけに夢中になり、本来人間が楽しみとしてきた「創造的に働く」という行為を、「機械的に働く」ということへすり替えられて、「食べること(欲望)」を満たし続けるためには「働くこと」は仕方のないことだと、ほとんど疑う余地も与えず「非創造的な働き」に追われている人も多い。

上手くまとめることができないが、日常生活の中から「創造的な働き」が消えていき、「働き=会社勤め」という固定観があるいま、人間に欠かせない本来的な「働き」の場と時間を作るということ、「働きたい」ためだけにシンプルに「食べる」ということ、そういうことをもう少しきちんと考えたいと思ったりする。
(2002.11.01)


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