火城 高橋克彦
2010年10月23日
なみログ at 02:38 | 文学
夜遅く家に帰り、風呂につかって、「火城」を読もうと、湯船の縁に本を置いた・・・ポチャン。
慌ててお湯のなかから取り出し、ささっと、タオルで表紙を拭く。ま、なんとか読める。しかし、印字はすごいなと。まったく滲まない。
「火城」は、(かじょう)と読み、高橋克彦氏初の時代小説で、佐賀の偉人のひとり佐野常民を題材にした小説だ。
先日から、新撰組だの、雲井龍雲だのといっていた矢先に、佐賀に戻ってきてしまった。ま、次あたりは、再び旧幕府軍側の、榎本武揚を読みたいと思ってるのだが。安部公房のものを。
火城、読み始めると面白い。今まだ読み始めたばかりで、京都のからくり儀右衛門(田中久重)のところへ行き、佐賀に来てくれぬか、などといってるところだ。
いやいや本を読んでいる場合ではないかもしれないのだけれど、読み出したら止まらない。。。
それから昨日の夜は、また違うのを読んでいて、純文学なのだけど、長崎の青来有一氏の、「ジェロニモの十字架」。
これがまた、なかなかじっとりと書かれていて、当時、文学界新人賞の受賞作としてはレベルが高い。単に、小説でも書いてみたというような生ちょろいものではなく、書かざるをえなかったと思わせるような、作者の背景が感じられる小説。文章も巧いしが、文章のうまいへたの問題ではないところの、もっと深い何かをかんじさせる小説だ。