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佐賀の郷土誌

2007年05月29日

 なみログ at 18:30
2007年5月29日(火)佐賀新聞朝刊18頁「文学の風景」より

佐賀新聞のコラム?取材記事に、

「文学の風景」というコーナーがある。

佐賀と文学にまつわるエピソードを、実際にその物語が書かれた背景となった土地や建物などを取材し、読者に紹介するというもの。

今日の紙面には、郷土誌「ふるさと」という本を出版していた、「ふるさと社」のことについてだった。

「ふるさと社」は、現九州文学の高尾稔氏が、佐賀市唐人一丁目あたりに事務所を置いて活動をしていたということ。いまから何年前の話だろう。。

地方出版はどこも衰退していると聞く。元気なのは沖縄くらいか。

大学生の頃、沖縄に一週間くらい旅に出た。そのとき沖縄の本屋さんで見た、沖縄文庫なる赤背の本にはびっくりした。(記憶がうるおぼえなので、沖縄文庫という文庫だったかは定かではない。グーグルでちょっと検索してみたけど、おきなわ文庫というのがあった。赤い本。まさにこれだ。

上記のおきなわ文庫のリンク先に紹介してある、「おきなわ文庫発刊に寄せて」という文章は、その目的やその行動、その結果などはさておき、

地方の文化・芸術に身をおくものとして、刺激ある一文だ。

「沖縄」=「佐賀」に置き換えて読むような愚弄なことはする必要はないが、その本質には迫る必要があると思う。

とまあ話が横にそれたが、

佐賀市にあったという「ふるさと社」。そしてそこが出版していた「ふるさと」。

以前、佐賀文学という同人誌の座談会で、佐賀の同人誌の未来を語るといったテーマでやったことがあるが、そのとき、郷土文学研究家の某氏がいわれた、

いまの若い人は、これまで佐賀で行われてきた文学活動や歴史についてあまりにも無知だ。

という厳しい言葉が身にしみる。




「おきなわ文庫発刊に寄せて」の抜粋を引用(1982年だそうだ)

『「地方の時代」と言われて久しいが、沖縄をめぐる各界からの発言は多岐にわたり、いわゆる「沖縄学」はまさに隆盛をきわめているかのようである。しかし、内なる沖縄が急速に崩壊していくことも、また遺憾ながら認めざるを得ない。

 大明をもって輔車となし、日域をもって唇歯となす。そのニ中間にありて湧出するところの蓬莱島なり――と豪語した先達の覇気、その行動の世界的広がり、さらには歴史的、地理的特異さのゆえに幾度となく押しよせた困難な局面に、実にしたたかに処した強靭な精神、それらを回復しなければならない。

 「沖縄を見直すために」――これこそ小社の栄ある事業である。

 現在、実におびただしい数の沖縄関係の文献が発刊され、特に市町村史の相次ぐ刊行は目を見はるものがある。しかし、「県史」をはじめとして発行部数が限られ、かつ専門的にすぎて一部の研究者に利用されているにすぎない。

 小社では、本来我々の共有財産となるべき研究の成果が一部の書架にのみあるのを憂い、各界気鋭の業績を、良心的編集のもとに、廉価で美麗に多くの人びとに提供しようと考えた。
 「おきなわ文庫」――この名称に示された小社の気概を諒とされたい。多くの読書子のお力添えによって、小社の誇りある企てが完遂されんことを願う。 』