悪人と冷血
2011年05月27日
なみログ at 17:19 | 文学
~2010年のノートのまとめより~
悪人 吉田修一著
(映画は妻夫木聡主演、深津絵理。舞台が佐賀、福岡、長崎で、多くの撮影が佐賀、福岡、長崎で行われた)
佐賀県と福岡県の県境にある三瀬峠で見つかった女性の死体遺棄事件。犯人と思われる人物は行方をくらませた大学生。しかし被害者の女性がその夜に会う予定だったのは大学生ではなく、他の男だった。女性は誰に会い、誰が彼女を殺したのか。そして彼女と男、大学生に関わる数名のものたち。いったい誰が悪人なのか。
個人主催の読書会で課題図書として読んだ。結構面白い。
朝日新聞に連載されいた小説で、福岡、佐賀、長崎を舞台に書かれているので、身近に感じながら読み進めることができた。
吉田修一という小説家は長崎県出身の小説家で土地勘があるので、地理的なリアリティーを感じさせる舞台設計になっている。※朝日新聞の連載小説だったことを考えれば、北部九州以外の読者にどのように伝わるのかは聞いてみないとわからないが。

それで、これは個人的な感想だが、各章のタイトルの打ち方が、『冷血』(トルーマン・カポーティ)に似た感じを受けた。※そのあとすぐに改めて冷血を読むことになった。そもそもの切り口というか、構想のなかに、『冷血風』な視点や語り口、ノンフィクションタッチの切り口などの着想があったのか、無かったのか。

あまり面白くないと聞いていたので読まずにいたが、いざ読んでみるととても読み応えがあった。本が分厚いので、抵抗を感じる人も多いかもしれないが、おすすめの一冊である。
悪人 吉田修一著
(映画は妻夫木聡主演、深津絵理。舞台が佐賀、福岡、長崎で、多くの撮影が佐賀、福岡、長崎で行われた)
佐賀県と福岡県の県境にある三瀬峠で見つかった女性の死体遺棄事件。犯人と思われる人物は行方をくらませた大学生。しかし被害者の女性がその夜に会う予定だったのは大学生ではなく、他の男だった。女性は誰に会い、誰が彼女を殺したのか。そして彼女と男、大学生に関わる数名のものたち。いったい誰が悪人なのか。
個人主催の読書会で課題図書として読んだ。結構面白い。
朝日新聞に連載されいた小説で、福岡、佐賀、長崎を舞台に書かれているので、身近に感じながら読み進めることができた。
吉田修一という小説家は長崎県出身の小説家で土地勘があるので、地理的なリアリティーを感じさせる舞台設計になっている。※朝日新聞の連載小説だったことを考えれば、北部九州以外の読者にどのように伝わるのかは聞いてみないとわからないが。
それで、これは個人的な感想だが、各章のタイトルの打ち方が、『冷血』(トルーマン・カポーティ)に似た感じを受けた。※そのあとすぐに改めて冷血を読むことになった。そもそもの切り口というか、構想のなかに、『冷血風』な視点や語り口、ノンフィクションタッチの切り口などの着想があったのか、無かったのか。

あまり面白くないと聞いていたので読まずにいたが、いざ読んでみるととても読み応えがあった。本が分厚いので、抵抗を感じる人も多いかもしれないが、おすすめの一冊である。